相談例93 (相続全般)⑦ 相続人の中に認知症の者がいます

 

横浜市在住の父親が死亡し、相続が発生しました。

相続人は娘である私と、80代の母の合計2名です。


母親は認知症を発症して、横浜市内の老人ホームに入居しています。

認知症の度合いも深刻で、娘にである名前も分からないような状態です。


医師の先生によると、回復の見込みはないそうです、

母も高齢なので、母には相続させずに娘である私が全て相続したいのですが可能でしょうか?

 

【回答】


相談者様のケースによると、お母さまのは、精神上の障害により判断能力を欠く常況にあると考えられます。

精神上の障害により判断能力を欠く場合、各種の法律行為をする事ができません。


遺産分割協議もその一つです。
遺産分割は、被相続人の財産の共同相続人による共有状態を解消して具体的に分割する手続であり、契約であるためて、
法律行為となるため、遺産分割をするためには判断能力が必要となります。

今回のケースにおいては

・法律行為=遺産分割協議
・意思能力を有しないもの=認知症の相続人


ご相談者様は、お母さまの住所地の家庭裁判所に母親の成年後見開始の申立てをし、
選任された成年後見人との間で遺産分割協議をすることが可能です。

 

「成年後見制度」の申立て方法について

 

成年後見制度の申立て方法 : 裁判所

 

ただ、今回のケースについては、残念ながら長女である相談者様が成年後見人と選任される可能性は低いのではないでしょうか。

なぜなら今回のお父様の相続により発生した遺産分割協議において、長女である相談者様と
被後見人であるお母さまとその成年後見人、利益相反行為となる可能性が極めて高いからです。

 

「成年後見制度」については、メリットとデメリットがあります。


デメリットとしては下記のような点が挙げられます。

・成年後見人の選任には申立て費用がかかる
・成年後見人は家庭裁判所が選ぶ
・成年後見人の報酬は死亡まで発生する
・本人の財産は本人のため以外に使うことができない
・成年後見人を一旦「申立て」ると途中で止めることができない

 

このように「相続が発生した後」ですと、何ともできない状況となります。

これらを回避するためには「生前」に、死後に遺産分割協議をしなくてもいいように
「遺言書」や「家族信託」などの定めておくことが肝要です。

 

司法書士法人近藤事務所においては、遺言書や家族信託などの相談も承っておりますのでお気軽にお問い合わせください。

 

遺言サポートサービス|司法書士法人 近藤事務所 (yokohama-isan.com)

家族信託制度 活用 無料相談会|司法書士法人 近藤事務所 (yokohama-isan.com)

 

 

 

 


このページの執筆者  司法書士 近藤 崇

司法書士 近藤崇

司法書士法人近藤事務所 代表司法書士

司法書士法人近藤事務所ウェブサイト:http://www.yokohama-isan.com/
孤独死110番:http://www.yokohama-isan.com/kodokushi

横浜市出身。私立麻布高校、横浜国立大学経営学部卒業。平成26年横浜市で司法書士事務所開設。平成30年に司法書士法人近藤事務所に法人化。

取扱い業務は相続全般、ベンチャー企業の商業登記法務など。相続分野では「孤独死」や「独居死」などで、空き家となってしまう不動産の取扱いが年々増加している事から「孤独死110番」を開設し、相談にあたっている。

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