相談例16 認知症の父、妹(知的障害)がいます

認知症の父、妹(知的障害)がいます。

父の介護生活に5年ほどで、認知症の進行も進んでおり今は施設暮らしです。

因みに知的障害の妹は子供の時から施設暮らしです。

父が施設に入る時に、家族の預金通帳、その他の書類、印鑑などを私に託されましたので、それぞれの資産などは把握しています。(大した額はありません。因みに妹の預金は母の残した貯金をそのまま妹の通帳に入れております)

父の施設入居費は父の銀行口座から私がお金を動かしていいという父から私宛の委任状を銀行に出してあります。

そこで相談なのですが、相続については、母がいない今父が亡くなった時子供たちが分けるということは知っていますが、家族の中で書類を書ける人は私しかいません。

妹は署名すら出来ませんが、こういう状況で、相続の手続きという事態になった時、相続の手続きは容易に出来るものでしょうか?

前もって、何かしておいたほうが良い事はありますか?

<回答>

どの程度認知症が進んでいるのかはっきりわからないですので、現時点では、認知症の程度が進んでおらず、お父様が法的な判断ができる意思能力がまだ残っている場合、逆に認知症が進み、事理弁識能力が無く、意思能力がない、という二つのパターンに分けてご説明いたします。

前者の場合、お父様が「遺言」を残されておくことをお勧めいたします。

遺言にはおおまかに分けて二つのパターンがあり、ご自分のみで、かつ全て自筆で書かれる自筆証書遺言と、公証人の協力を得て作成する公正証書遺言の二つになります。

基本的には、専門家や証人が立ち会う公正証書遺言が良いのは言うまでもありません。

また遺言執行者を選任しておけば、相続の手続きはさらに容易になるでしょう。

自筆証書遺言の場合、証人や専門家の目を通しませんので、各法律要件を満たしていないことも多くみられるのが現実です。

また遺言書が有効であっても、お父様が亡くなった後に家庭裁判所の検認手続きを経なければなりませんので、時間的にもかなりの時間と手間がかかります。

一方、お父様の認知症が進んでいて、事理弁識能力が無く、意思能力がない場合、現時点では遺言を残すことが不可能です。

この場合、お父様が亡くなった後は原則、遺産分割協議により、相続財産の帰属先を決める事になります。

相続人が成人で、かつ意思能力がある場合は、遺産分割協議書を作成しそれぞれ署名捺印をすれば完了です。

ただ妹様の状態が、意思能力がない場合には、成年後見人などの制度を用い、裁判所に成年後見人の選任を申し立て、成年後見人が妹様の代わりに遺産分割協議書に参加する事になります。

いずれにしても、早めにお近くの専門家にご相談されることをお勧め致します。

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