【相続】甥姪で相続不動産を共有名義にしてしまう注意点を司法書士が事例で解説

当事務所では相続の無料相談を実施しています。

横浜を中心に神奈川県全域から相続のご相談をいただいています。

特に今回のケースのように複雑な相続のご相談や不動産の問題を抱えたご相談の経験が豊富な司法書士がご相談者様に親身に寄り添ってご相談対応させていただきますので、相続について少しでもご不安がある方はお気軽にご相談ください。

当事務所の無料相談について詳しくはコチラよりご覧ください。

お客様のご相談内容

独身だった伯父が亡くなりました。

伯父の兄弟は全員亡くなっていたため、私たちを含む8名の甥や姪で遺産分割を行いました。

親族仲も良かったため、皆で平等に、法律の相続分(法定相続分)に従い、相続財産を分けることになりました。

(法定相続人とその割合について詳しくはコチラ

伯父は区分建物などの不動産を何カ所か持っており、 誰がどの不動産を取得するか決めるのは面倒に感じたため、全ての不動産について「法定相続分で共有」で登記を申請してしまいました。

(財産の分けたの種類や注意点について詳しくはコチラ

不動産は場所も収益性もまちまちであったため、「法定相続分で共有」することで、平等な結果を得ることができたと思っていました。

ところが数年が経過し、それぞれの甥や姪の経済環境に変化が訪れました。

ある日、甥の内の1名が、共有名義の不動産を売りたいと言ってきました。

子どもがが医学部に進学することになり、大学進学に備えた学費が必要とのことです。

この不動産は収益性が良かったため、この甥以外は売却に反対しています。

また共有者の中で最も年長の姪が、最近物忘れが激しくなり、認知症を疑うことも多くなりました。

認知症になってしまうと不動産の売却行為はできないと聞いたためため、とても不安になっています

司法書士(当事務所)のご回答、サポート内容

ご相談頂き、誠にありがとうございます。

自分たちで進めた結果、安易な不動産の共有の登記について見かけることが多くあります。

帳簿上(登記簿上)では確かに平等にみえる共有登記ですが、将来的なリスクは多くあるように感じます。

今回の相談事例のポイント

平等な相続を意識するばかりに、不動産を安易に共有登記をしてしまうケースは多々見られます。

不動産を共有にすると、一見は公平に分割したように見えますが、結局個々の持分を個別に売却や処分することは現実的に難しく、現実的には不動産の価値を共有にすることで、かえって棄損してしまうようなケースも見られます。

特に兄弟や姉妹、いとこなどで安易に共有の相続登記を入れてしまうと、そのさらに下の代では、ねずみ算式にに相続人が増え、ますます収集がつかない状態になることが安易に予想されます。

これを解消するには結局売却するしかなく、やはり最初に安易に不動産を共有登記することについては慎重に考えた方がいいでしょう。

特に司法書士の観点から申し上げると、遺産分割により不動産の登記を一度入れてしまうと、その後、共有の持分を移動したり、更正登記のようなやり直しの登記をしたりすることは登記上できるのですが、当然それに対して登録免許税などの税金や司法書士の費用がかかってきてしまいます。

何より税務上の観点から見ると、一度登記を経た遺産分割について、再度やり直すことは新たな財産権の移転とみられることが多く、これにより雑用税であったり不動産取得税のような税金が課税されるケースも多くみられます。

登記記録は、従前のものも含め確実に登記簿謄本に残ってしまいます。

さて、今回のケースですが、共有者の中で不動産を売却したいものと、このまま維持したいもので意見が分かれているケースかと思います。

1名が不動産を処分したいということになりますと、今後維持管理を共同でしていくのは現実的には難しいケースも多いと思います。

このため、いずれ相続人がどんどん増えていってしまうことも踏まえ、決着をつけるには売却という手段が最も適しているのではないかと思います。

安易に売却を進めるものではないですが、相談者様もおっしゃられているように、相続人が高齢化していくことで、認知症などのリスクも生じることがあります。

共有者が多いということは、そうした認知症になる方が発生するリスクもその分多いということです。共有者の中で一人こういう方がいてしまうと、現実的には成年後見制度を使うなどしない限り、不動産の売却が難しいと言えますので、この点でもやはり共有のリスクは高いと言えます。

もし相続人間で話し合いが成立し、かつ他の不動産との兼ね合いで、「共有物分割」や「等価交換」などの手続きも検討されます。

ただ不動産は同じものが2つとなく、それぞれの不動産が価値が違うのが当たり前のものです。

このため金銭と違い、等しい価値の算定や交換などが成り立たないケースが実務では多く見られます。

結論

今回のケースでは、売却できる不動産については売却し、現金化するなどして、一旦共有関係の清算を進めた方がいいのではないかと思慮します。

不動産をいとこや兄弟姉妹などで共有で相続登記する場合、弊所では上記のようなリスクを説明する、また近い将来(1年以内など)に売却して換価する予定があるか、などを詳しくヒアリングしています。

共有で登記することが全て悪いわけではなく、売却などのゴールが明確な場合、売却益を割り振るためにあえて共有登記をいれるケースも多々あります。

いずれにしても遺産分割協議については安易に等分にせずに、旗振り役・案内役として専門家を介在させ、外部の意見を聞いてから進めた方が良いのではないかと思います。

当事務所では相続について無料相談を実施しています。

また相続は今回のケースのように不動産の売却なども考える必要があるケースもございます。

その場合は相続に詳しい不動産会社と連携してお客様をサポートすることもできますので、相続について少しでもご不安がある方はお気軽にご相談ください。

当事務所の無料相談は0120-926-680よりご予約いただけます。

相談事例の最新記事

Page Top