相談例108 特別縁故者として認められるのはどのような人ですか?

横浜市に相続人がいない60代の従兄弟がおり、従兄弟は2年前に死亡しました。

前回の相談で教えてもらった特別縁故者の申立てをして、家庭裁判所から特別縁故者としての申し立てを検討しています。 最終的に相続財産を受け取れる人というのは、具体的にはどのような人なのでしょうか?

具体例を挙げて説明してください。

 

相談例107 特別縁故者として相続財産を受領できるのはどのような関係の人ですか故者の申立てをすれば相続人でなくとも相続財産の受領は可能ですか? | 横浜の相続丸ごとお任せサービス (yokohama-isan.com)

 

【回答】

民法958条の3第1項所には


①「被相続人と生計を同じくしていた者」

②「被相続人の療養看護に努めた者」

③「その他被相続人と特別の縁故があった者」


とあり、特別縁故者として認められるか否かについては、これのいずれにあたるかが検討されることになります。

特別縁故者の申立をした人が、①・②に該当するかは、ケースにもよりますが、「長年の内縁関係」などを除けば、かなり難しいのではないでしょうか。
仮に上記①・②に該当しなかった場合、申立人は同項所定の③「その他被相続人と特別の縁故があった者」に該当するものかを検討します。


ここでいう「その他被相続人と特別の縁故があった者」とは何を指すのでしょうか。


これを少し難しい言葉で言えば

「前述の生計同一者及び療養看護者に該当する者に準ずる程度に、被相続人との間で具体的かつ現実的な交渉があり、

 相続財産の全部又は一部をその者に分与することが被相続人の意思に合致するであろうとみられる程度に被相続人と密接な関係があったか」

が検討点となります。

 

幣所で取り扱った過去の事例では、

申立人が被相続人の親族であり、幼少期に親代わりとして育てていた。
 成人後も就職の保証人になるなど、実の親子のような関係が育まれていた。

被相続人のみならず、被相続人の実親両名の療養看護を行い、
 死亡前には被相続人の預金通帳類などの管理を全て申立人に任せていた。

被相続人の亡き夫の実子(連れ子)で、養子縁組はしていなかったが、
 実質親子のように被相続人の面倒を見ていた。

などのケースがあります。

いずれも多少の濃淡はありつつも、生涯にわたり実の家族のような関係を継続してきたものといえます。


これらの事情を総合的に勘案したうえで、最終的には裁判所が民法958条の3第1項後段の「その他被相続人と特別の縁故があった者」に該当するかを判断します。

特別縁故者に対する相続財産分与 | 裁判所 (courts.go.jp)


ただ特別縁故者の場合、生前の交流度合いにもよりますが、ほんの一部を受領できるかどうか、と考えておいた方が無難です。

被相続人の意思も明確で、こうした相続財産を無駄にしないためには、結果的に「遺言書の作成」が最も安い最適解となることは言うまでもありません。

特別縁故者への財産分与申し立ては、不幸にもこうした遺言書などがない場合の最終手段といえるでしょう。

 

 

このページの執筆者 司法書士 近藤 崇

司法書士法人近藤事務所ウェブサイト:http://www.yokohama-isan.com/
孤独死110番:http://www.yokohama-isan.com/kodokushi

横浜市出身。私立麻布高校、横浜国立大学経営学部卒業。平成26年横浜市で司法書士事務所開設。平成30年に司法書士法人近藤事務所に法人化。

取扱い業務は相続全般、ベンチャー企業の商業登記法務など。相続分野では「孤独死」や「独居死」などで、空き家となってしまう不動産の取扱いが年々増加している事から「孤独死110番」を開設し、相談にあたっている。

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