相続登記の登録免許税が非課税になるケースとは?100万円以下の土地を横浜の司法書士が解説
当事務所(司法書士法人近藤事務所)では相続の無料相談を実施しています。
横浜市を中心として神奈川県全域から沢山のご相談をいただいておりますので、相続で少しでもお困りの場合はお気軽にご相談ください。
今回は相続登記の登録免許税が非課税になるケースについて司法書士が解説します。
Contents
よくあるご相談
父が亡くなりました。
横浜市内のマンションのほかに、地方の田畑や山林なども相続の対象になります。
相続登記の登録免許税が非課税になる制度が拡大されたと聞きましたが、詳しく教えてください。
おっしゃる通り、相続登記における登録免許税の非課税制度は段階的に拡充されてきました。
地方の農地・山林・田畑などを抱える相続では特に重要な制度ですので、最新の内容を詳しく解説します。
登録免許税とは
相続登記(不動産の名義変更)を行う際には、登録免許税という税金がかかります。
計算式は以下のとおりです。
登録免許税 = 固定資産税評価額 × 0.4%
例えば、固定資産税評価額が3,000万円の土地であれば、登録免許税は12万円になります。複数の不動産を相続する場合は、その合計評価額に0.4%をかけた金額が課税されます。
なお、2024年(令和6年)4月1日より相続登記が義務化されており、相続により不動産を取得したことを知った日から3年以内に登記申請をしなければ、10万円以下の過料が科される場合があります。
登録免許税の非課税制度(免税措置)の概要
相続登記を促進するため、一定の要件を満たす場合に登録免許税が免税となる制度があります。現在、免税措置には主に以下の2つのケースがあります。
免税ケース①:相続登記をしないまま亡くなった方の土地
土地を相続したものの相続登記をしないまま亡くなった場合、その亡くなった方を土地の名義人とするための相続登記については、登録免許税が免税となります。
いわゆる「数次相続」が発生したケースで、相続が重なってしまった場合の救済措置です。
この免税措置の適用を受けるには、登記申請書に以下の文言を記載する必要があります。
「租税特別措置法第84条の2の3第1項により非課税」
免税ケース②:不動産の価額が100万円以下の土地
土地について相続による所有権の移転登記を受ける場合において、不動産の価額(固定資産税評価額)が100万円以下の土地であれば、登録免許税が免税となります。
この免税措置の適用を受けるには、登記申請書に以下の文言を記載する必要があります。
「租税特別措置法第84条の2の3第2項により非課税」
記載がない場合は免税措置が受けられませんので注意が必要です。
非課税制度の拡充の経緯
もともとこの制度は、対象が限定的でした。以前は以下の土地のみが対象でした。
・市街化調整区域内にある土地
・法務大臣が指定する土地(市街化区域外)
・不動産の価額が10万円以下のもの
しかしこれでは非課税となる範囲が限られており、相続登記の促進という目的に対して不十分とされてきました。
そこで令和4年度の税制改正により大幅に拡充され、全国の土地を対象に、価額が100万円以下であれば市街化区域・市街化調整区域を問わず登録免許税が非課税となりました。
さらに令和7年度の税制改正により、免税措置の適用期限が令和9年(2027年)3月31日まで延長されています。
ご相談のケースへの当てはめ
父上の相続で対象となり得る不動産ごとに整理します。
地方の田畑・農地の場合
農地であっても、固定資産税評価額が100万円以下であれば免税の対象となります。地方の農地は評価額が低いケースが多く、非課税となる可能性が高い財産のひとつです。
ただし、固定資産税の課税対象ではあっても、評価額が免税点(30万円)未満の場合は納税通知書に記載されないことがあります。評価額が不明な場合は、市区町村役場で「名寄帳」や「固定資産評価証明書」を取得して確認しましょう。
山林・原野の場合
山林や原野についても同様に、固定資産税評価額が100万円以下であれば免税対象となります。地方の山林・原野は評価額が低いことが多く、非課税になるケースが多いと考えられます。
横浜市内のマンションの場合
マンションのような区分所有建物の場合、土地部分(敷地権)の持分評価額が非課税の判断基準となります。
具体的には、マンション全体の土地の固定資産税評価額に、自分の敷地権割合(持分)を乗じた額が100万円以下であれば免税対象です。
例えば、マンション全体の土地評価額が1億円で、相続する敷地権割合が1,000分の8の場合は以下のようになります。
1億円 × 8/1000 = 80万円 → 100万円以下のため免税対象
ただし、建物部分(専有部分)は免税措置の対象外となりますので、建物の登録免許税は別途発生します。
持分道路・公衆用道路の場合
宅地の共有者として所有している持分道路や公衆用道路についても、持分に対応する評価額が100万円以下であれば免税対象となります。
注意事項
- 建物は対象外:免税措置の対象は「土地」のみです。建物(家屋)の相続登記には通常通り登録免許税がかかります。
- 申請書への記載が必須:免税措置は申請書に根拠条文を記載しないと適用されません。自動的に免税にはなりません。
- 適用期限がある:現時点では令和9年(2027年)3月31日までの時限的な措置です。
- 売買・贈与は対象外:免税の対象は「相続」を原因とする登記に限られます。
- 評価額は最新年度のもので確認:評価証明書は登記申請年度のものが必要です。3月に取得した評価証明書は4月以降の申請には使用できないため注意が必要です。
よくある質問(FAQ)
Q. 固定資産税評価額はどこで確認できますか?
固定資産税課税明細書(毎年送られてくる納税通知書に同封)または、市区町村役場で取得できる「固定資産評価証明書」で確認できます。評価額が記載されていない土地については、市区町村役場に「名寄帳」の有無を確認することをおすすめします。
Q. 複数の土地を同時に相続する場合、合算して判断しますか?
いいえ、合算ではなく1筆(1件)ごとに判断します。例えば、田畑が複数筆あっても、それぞれの評価額が100万円以下かどうかを個別に判断します。
Q. 以前に相続した土地で登記が済んでいない場合も対象になりますか?
はい、対象になります。免税措置の適用期限(令和9年3月31日)までに登記申請をすれば、それ以前に亡くなった方についての相続登記にも適用されます。登記が未了の土地がある場合は、この機会に手続きを進めることをおすすめします。
Q. 申請書への記載を忘れた場合、後から免税を受けることはできますか?
原則として、申請後に免税措置を追加で受けることはできません。申請前に司法書士などの専門家に依頼することで、記載漏れのリスクを防ぐことができます。
Q. 相続登記の義務化に対応していない土地がある場合はどうすればいいですか?
2024年4月の義務化以前に発生した相続についても、施行日(令和6年4月1日)から3年以内、つまり令和9年3月31日までに登記申請が必要です。免税措置の期限とも重なっているため、早めの対応をおすすめします。
詳細は法務局の公式ページでもご確認いただけます
免税措置の最新情報は、法務局の公式ページ「相続登記の登録免許税の免税措置について」でもご確認いただけます。
横浜で相続登記のご相談は司法書士法人近藤事務所へ
田畑・山林・マンションなど複数の不動産が絡む相続登記は、それぞれの評価額の確認から免税措置の適用判断まで、専門的な知識が必要です。
司法書士法人近藤事務所では、横浜を中心に相続登記の手続き全般をサポートしています。初回相談は無料ですので、「どの土地が非課税になるかわからない」という段階からお気軽にご相談ください。
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