相談例76 (相続/不動産登記)⑭遺言書で不動産の遺贈(寄付)を命じられました(相続人が1人もいないケース)

横浜市に住む「従兄弟」が死亡し、相続が発生しました。

従兄弟といえども、かなり年齢が上で、私より20歳ほど年上となります。

従兄弟には子供がおらず、兄妹もいない一人っ子だったため、法定相続人が一人も存在しません
生前に公証役場で公正証書遺言を残していました。


その遺言の内容は次のようなものでした。
「私の全ての預貯金をすべて横浜市に遺贈する。自宅不動産も換価して、
債務や税金を全て支払ったあと、残ったお金を全て横浜市に遺贈する」」
と書いてありました。


遺言執行者としては親類である私が指定されています。

不動産はそのままでは寄付は受け付けてくれないと、行政からの回答を受けました。
どうやって換価して、遺贈すればいいのでしょうか?
全く分かりません。

 

<回答>

同じようなケースで「法定相続人」がいる場合、一旦、法定相続人全員により、法定相続分による相続登記をした上で、
遺言執行者が全ての相続人の登記識別情報を受領します。
その上で、遺言執行者が遺贈のための換価手続きのための売却をすれば良いと解されるのは前回の質問で回答した通りです。

相談例74 (相続/不動産登記)⑬遺言書で不動産の遺贈(寄付)を命じられました

この場合、遺贈のための売却をするための登記義務者は遺言執行者となります。

 

今回、法定相続人がいないケースではどうでしょうか。

相続人がいない場合の財産処分は、相続財産管理人が原則必要です。

しかし遺言執行者が指定されている場合、その相続財産管理人の選任を経ずに、相続財産法人名義に変更をした上で
買主と共同で所有権移転登記ができるとする、専門書も存在します。

 

相続人不存在の場合における清算型遺言による登記手続(登研619号)
 ○要旨 相続人のいない遺言者が清算型遺言を残して死亡した場合において、
遺言執行者が選任又は指定されているときは、改めて相続財産管理人を選任するまでもなく、
遺言執行者が当該遺言に係る登記を申請することができる。

 ▽問 相続人のいない遺言者が、遺言者名義の不動産を売却・換価し、その代金を債務に充当して、
残金を遺贈する旨の遺言を残して死亡した場合、遺言執行者が選任又は指定されているときは、
改めて相続財産管理人を選任しなくても、遺言執行者の申請により相続財産法人名義への
登記名義人表示変更の登記をした上で、遺言執行者と当該不動産の買受人との共同申請により、
所有権移転登記をすることができるものと考えますが、いかがでしょうか。

 ◇答 貴見のとおりと考えます。
    なお、この場合であっても、遺言執行者が指定されている遺言書又は家庭裁判所の選任書並びに
    相続人が不存在であること及び遺言者の死亡を証する書面を添付する必要があります。

 

こうした遺言はかなり複雑ですし、登記を失敗するわけにはいきませんので、生前に専門家へ相談をされることを強くおすすめします。

 

司法書士法人近藤事務所では、遺贈や相続登記のご相談にも個別に対応させていただきます。
ご予約専用ダイヤルは0120-926-680になります。

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