相談例35 なぜ子供のいない方の相続手続きは難しいのか?⑥(課題点3)

 ③不動産処分しようとしても、権利者全員の同意を取ることが困難

子供のいない方が無くなった場合、相続人の誰かが登記や売却を進めるにしても、自分で行う場合は「自分の時間」を、専門家に依頼する場合は「金銭」を負担して、相続人の確定させる作業を一から行わなければならないため、大きな負担があります。

仮に確定させたとしても、その先には相続人全員での「意思合致」が原則となります。

そもそも元々付き合いのない親族同士での連絡の取り合いとなりますし、仮に「関わりたくない」といった選択をする方がいた場合、どのような手続き取るのか、という点で音頭を取る旗振り役の役割が多くなってきます。相続放棄という言葉は、弁護士や司法書士などの専門職においては「家庭裁判所での相続放棄申述」を指しますが、一般の方にとっては「単に遺産を受け取らない」という意思表示を指している方も多くみられます。この2つを取ってみても、取るべき進め方は異なってきます。

仮に同意を取ったとしても、相続人が10名などの場合、法定相続分などで登記をしてしまったとすると、その10名が全て売主であり登記義務者となります。不動産の売却には「契約」と「(引渡)決済」と2回に渡り、売主と買主が面談することも多いので、その手間も大きくなるでしょう。

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