相談例78 (相続/不動産登記)⑯従兄弟が死亡しましたが、相続人がいません。

妻の従兄弟が死亡しました。
横浜市内の自宅マンションがありますが、
従兄弟は生涯独身で、かつ一人っ子で兄妹も無く
従兄弟の両親も既に両親も既に他界しております。

従兄弟が入院した際に、手続きなどを
「最後のことは頼む、銀行の預金も全部上げる。自宅の不動産も全部と売却処分して」
と口頭で依頼を受けましたが
その後、容態が急変して亡くなってしまいました。

私に何かできることは無いのでしょうか?

 

回答


このケースは、相続人不存在のケースと考えられます。

民法上の相続人も包括受遺者もいない場合、相続財産は相続財産法人になるとされています。


民法第951条
相続人のあることが明らかでないときは、相続財産は、法人とする。


この場合、特別縁故者の申立てなどを
亡くなった方の最後の住所地を管轄する家庭裁判所などに申立てする他ありません。


第958条の2
前条の場合において、相当と認めるときは、家庭裁判所は、被相続人と生計を同じくしていた者、
被相続人の療養看護に努めた者その他被相続人と特別の縁故があった者の請求によって、
これらの者に、清算後残存すべき相続財産の全部又は一部を与えることができる。
前項の請求は、第952条の期間の満了後三箇月以内にしなければならない。

神奈川県内の管轄区域表 | 裁判所 (courts.go.jp)


生前に相談者様と従兄弟様の間に、介護や特別の縁故があったと認定されれば、
特別縁故者としての財産の相続を認めるか否か、相続財産の全部または一部だけ相続させるのか
家庭裁判所の判断を仰ぐことになります。
そして、特別縁故者もいなかったり、特別縁故者へ相続した後でも、財産が残っていれば国庫に納められます。


相続財産清算人は弁護士や司法書士が家庭裁判所から選任されることが多いです。
相続財産があまりないと見込まれる場合は、
これらの専門職の報酬及び何かあった時のための保証金等として予納金として納める必要があります。
予納金は数10万~100万弱程度を裁判所から求められる事もあるため、
相続財産が少ない場合、実務ではあまり用いられていないのが現状と思われます。

 

 

 

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