相談例68 (相続と年金)②年金は相続財産なの?相続税はかかるの?

横浜市在住の夫が死亡し、相続が発生しました。

50代で在職中に亡くなり相続が発生したため、厚生年金や企業年金、
その他にも、個人年金保険契約に基づく年金など様々な種類の年金の手続きに追われています。

質問なのですが、こうしたものは相続財産なのでしょうか? 
また相続税の計算にも加算しないといけないのでしょうか?

【回答】

被相続人の死亡により発生・取得する年金受給権については、年金の種類などによって扱いが異なります。

基本的には、厚生年金などの公的な年金については、相続財産との扱いとはなりません。(遺族厚生年金、遺族基礎年金など)


こうした公的な年金は、年金法などの法律で個別に規定が定められており、また生計を同じくしていた遺族の生活保障の目的で給付されるため、受給権者固有の権利であると年金法などで規定されています。
つまり、相続財産ではないので、相続税の計算にも計上しません。

一方で、相続税等の課税対象になる年金受給権もあるので注意が必要です。その具体的な例を2つ紹介します。

一つは、在職中に死亡し、死亡退職となったため、会社の規約等に基づき、会社が委託していた年金機関などから遺族の方に「退職金」として支払われることになった年金です。
この年金は生命保険金と同じ扱いに近いといえます。死亡した人の退職手当金等として扱わます。
「法律上は」相続財産ではありませんが、一定の控除額(法定相続人×500万)を超えた額については、相続税の計算上で「みなし相続財産となり、相続税課税額の対象となります。

もう一つは、保険料負担者、被保険者、かつ、年金受取人が同一人の個人年金保険契約で、
その年金支払保証期間内にその人が死亡したために、遺族の方などが残りの期間について年金を受け取ることになった場合です。


こちらは、本来的には死亡した人が受け取るべきものですので、被相続人から年金受給権を相続又は遺贈により取得したものとみなされて相続税の課税対象となります。

なお、厚生年金や国民年金などを受給していた人が死亡したときに遺族の方に対して支給される遺族年金は、
原則として所得税も相続税も課税されません。また、死亡したときに支給されていなかった年金を遺族の方が請求し支給を受けた場合についても、その遺族の方の一時所得となり、相続税はかかりません。

詳しくは国税庁のホームページなどもご参照ください。

No.4123 相続税等の課税対象になる年金受給権|国税庁 (nta.go.jp)

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