相談例107 特別縁故者として相続財産を受領できるのはどのような関係の人ですか

横浜市に相続人がいない60代の従兄弟がおり、従兄弟は2年前に死亡しました。

前回の相談で教えてもらった特別縁故者の申立てをして、家庭裁判所から特別縁故者としての申し立てをするには、申立人に対し何か資格などはあるのでしょうか??

 

相談例105 特別縁故者の申立てをすれば相続人でなくとも相続財産の受領は可能ですか? | 横浜の相続丸ごとお任せサービス (yokohama-isan.com)

 

【回答】

 

特別縁故者の申し立てには次のようなものが定められています(民法第958条の3)

①被相続人と生計を同じくしていた者

被相続人と生計を同じくしていた者とは、例えば内縁関係にある配偶者や養親子のように生計の同一性などはでありながら
民法上は相続権を認められていない者を指すとされます。

(1)住民票

 おそらく内縁の判断にあたって公的書類の中でも一番重視される証拠ではないかと思われます。
 住民票の続柄の覧に「妻(未届)」や「夫(未届)」と記載されていれば、有力な証拠になります。
 逆に、同一住所に住んではいるものの、住民票が男女で別々になっているケースや住民票の続柄に
 「同居人」と記載されている場合には、その記載から「婚姻意思」を証明することは難しいと思います。但し、住民票上の住所が男女で同じと言うことになりますので、「同居して生活していた」ことの証明にはなると思います。

(2)賃貸借契約書上の記載
 あなたがその男性と同居生活を始めるにあたり、新たに賃貸借契約を締結したという場合、
 その賃貸借契約には、あなたのことが同居人として記載されているケースが多いと思います。

(3)健康保険の被扶養者になっていること

  健康保険の被扶養者になっている場合も、有力な証拠になります。
  同じ健康保険組合からあなたの健康保険証が発行されている場合には、
  通常相手側の健康保険の被扶養者になっていると見込まれます。

 

② 被相続人の療養看護に務めた者

被相続人の療養看護に務めた者とは、①のような内縁関係や親族関係にない場合でも、
亡くなった人がその者に財産を贈与し又は遺贈したであろうと思われる事情にある者を解した事例があります。

例えば叔父、叔母やいとこなどについてです。
これらによる医療費、被服費等の扶助行為、葬儀費の支出が近隣に住む親族として
通常の助け合いの域を出ないとして分与を認めなかった事例があります。

 

③その他被相続人と特別の縁故があった者

上記①・②にも当てはまらないものとし上記の③があります。これがどのような人に適格があるのか、次回に考えていきたいと思います。

 

宜しくお願い致します。

このページの執筆者 司法書士 近藤 崇

司法書士法人近藤事務所ウェブサイト:http://www.yokohama-isan.com/
孤独死110番:http://www.yokohama-isan.com/kodokushi

横浜市出身。私立麻布高校、横浜国立大学経営学部卒業。平成26年横浜市で司法書士事務所開設。平成30年に司法書士法人近藤事務所に法人化。

取扱い業務は相続全般、ベンチャー企業の商業登記法務など。相続分野では「孤独死」や「独居死」などで、空き家となってしまう不動産の取扱いが年々増加している事から「孤独死110番」を開設し、相談にあたっている。

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