相談例87 (相続全般)①相続放棄したい不動産の遺品整理


叔父が横浜市のマンションで、死亡しました。
警察署から連絡を受けましたが私たち甥姪が相続人との事です。
死後1カ月以上経過していたようです。


死因は不明ですが、介護なども受けておらず自力で生活しており、冬場だったので腐敗が遅かったこともあるのでしょう。


マンションは立ち入ることも困難なゴミだらけで、またエレベーターもない高台の不動産物件のため、遺品整理には100万程度かかるどの業者にも言われました。

叔父には負債も多く、借金もあったようです。
また保険で消えない住宅ローンも残っているようです。

相続放棄をしたいのですが、マンションの近隣からの苦情もあり
遺品の整理などはいていいものなのでしょうか?

司法書士の方に相談をしたく、アドバイスをください。

 

【回答】

ご相談ありがとうございます。
機密性の高い都市部の鉄筋コンクリート造のマンションでは、こうした事案は珍しくありません。


基本的には、亡くなった方の家庭裁判所の管轄での相続放棄の申述が基本路線となるでしょう。
相続放棄とは、相続人が被相続人の権利や義務を一切受け継がないことです。
借金しか残っていない場合や、プラスの財産よりもマイナスの財産が多い場合には相続放棄をするのが普通ですとが多いでしょう。


相続放棄をする場合は「自己のために相続の開始があったことを知った時」から3カ月以内に相続放棄をしなければなりません。
具体的には、被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所に対し、申述書と添付書類(被相続人の住民票除票など)を提出しなければなりません。

申立てをするのは、被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所となります。

神奈川県内の管轄区域表 | 裁判所 (courts.go.jp)


しかしながら、相続放棄しても負債から逃れても、相続人には次の順位の相続人が現れるまでの相続財産管理義務があるとされています。

相続放棄をした人は、相続放棄した後も、その放棄により新たに相続人となった人が相続財産の管理を始めることができるまでは、その財産の管理を継続しなければなりません。

相続人全員が相続放棄をした場合には、家庭裁判所に相続財産清算人を選任してもらい、相続財産を引き継いでもらうしかありません。

この例は以前の相談例でも取り上げております。

 

 

相談例79 (相続/不動産)⑰相続した地方の不動産の解体を求められています。

 

現実には、相続財産清算人となる弁護士や司法書士の費用の予納金を収める必要があるため、あまり使われていないのが現状です。

 

今回の場合、遺品整理が相続財産の「処分」に当たると、相続を承認したとみなされてしまいます。
相続財産の処分かどうかは、裁判例などでも、処分の性質等を「総合的に勘案して判断」としか言えず、ケースバイケースです。

明らかに誰が見てもゴミというものであれば、処分をして問題ないでしょう。


しかし貴金属などについては、特に昨今は金価格が高いため、こうしたものは注意が必要となります。

また当然ながら不動産の処分、一戸だての場合解体などもできないことになります。
これらは不動産謄本上も権利変動や滅失が明らかになるので特に注意が必要です。

 

 

司法書士法人近藤事務所では、遺贈や相続登記のご相談にも個別に対応させていただきます。
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