突然「亡き父の借金を支払え」督促状が…離婚・音信不通でも相続放棄を諦めないための全知識
当事務所では相続の無料相談を実施しております。
相続のご相談ではお一人お一人お悩みや置かれているご状況が異なり、様々なご相談をいただきます。
その中で、ある日突然、見知らぬ会社から「亡くなったお父様についての債務についてのご案内のご請求」などというような手紙が届くこともございます。
まして、父や母ならともかく、その相手がそもそも亡くなったことも知らない、何年も会っていない、叔父や叔母だったりすることもあります。
その場合の驚きや困惑の気持ちは察するに余りあります。
どうして私が、知らない人の借金や債務の支払いをしなければいけないのか。
そんな不安で目の前が真っ暗になってしまった方のご相談を私たちはこれまでも何人も受けてきました。
こうした場合はまず落ち着いて、身近な司法書士などにご相談されるのがよろしいかと思います。
今回は、生前対策や相続手続きの専門家である司法書士法人近藤事務所の観点から、こうしたケースについての相続放棄についての正しい対処法をお知らせさせていただきたいと思います。
相続放棄とはそもそもどのような制度?
相続放棄とはそもそも何でしょうか。
相続というと、不動産や預貯金などいわゆるプラスの財産のイメージが真っ先に思い浮かびます。
しかし、相続というのは取捨選択して相続することはできず、亡くなった方の借金や未払い金や、忘れがちですが連帯保証人としての地位など、こうしたマイナスの財産も全て引き継ぐのが相続というものです。
現行の日本の法律制度では、これを唯一防ぐための手段が「相続放棄」となります。
相続放棄を行うと、どのようなことになるのでしょうか。簡単に言ってしまえば、最初から「相続人ではなかったことになる」と言ってしまうのがいいでしょう。
日本の場合、諸外国に例を見ないほど戸籍制度が整備されているため、第三者、つまり債権者、また法務局や裁判所から見ても、亡くなった方の相続人というのは客観的に書面でわかってしまうことになります。
これをどうすることはできませんので、このつながりを唯一切る手段というのが相続放棄です。
またそもそもプラスの財産が多かったとしても、長年疎遠であったため関わりたくない。
今の自分の生活は安定しているので、今さら余計なことには関わりたくないといって相続放棄を選ばれる方も多く見られます。
このように相続放棄というのは、突然降りかかってきた相続に対し、相続人である皆様が行使できる当然の権利なのです。
疎遠な親族の借金の請求がくる理由
なぜ疎遠な親や疎遠な叔父や叔母の借金の請求、債務の請求が自分に来るのでしょうか。
実務の現場でよく相談の現場でよくお声をいただくのは、「父はもうすでに何年も会っていないので私とは関係ない」「叔父には子供がいたので、そもそも関係がない」「叔母は疎遠だったので自分には無関係だ」というお言葉をいただくことがあります。
このようなことをおっしゃられる方は大変多いのですが、先ほど申し上げたように、法律上の相続関係というのは、日本においては戸籍によって相続人であることが明らかにされてしまうため、このような生活実態とは無関係になってきます。
よく相談者様がおっしゃられるのが、「ご両親は離婚していて、もう父とは何年も会っていないため、また苗字も変わっているため、そもそも父の相続に私は関係ない」このようにおっしゃる方も多いのですが、仮に離婚により苗字が変わっていたとしても、法律上の親関係は消えません。
例えば、ご自身の戸籍謄本を取られてみると、父や母の欄に疎遠であっても、必ずお名前が載ってくると思います。
このように何十年会っていなかった、結婚していたとしても、その方が父や母である限り、第一の相続人は皆様であり続けます。
また、亡くなった方に子供がおらず、相続権が兄弟姉妹である方に回ってくるケースも多く見られます。
この兄弟姉妹である方が、皆様の父や母である場合、そしてこれらの方が亡くなられている場合などについては、いつの間にか相続人になっている、というケースも珍しいことではないです。
また、仮に叔父や叔母に子どもがいたとしても、知らない間に叔父や叔母の子どもが負債を目にして相続を放棄してしまった場合、皆さんの預かり知らないところで相続人になってしまっていた、などというケースも非常に珍しいことではありません。
債権者の正当な事由
さらに債権者というのは正当な事由がありますので、債務者である皆様、つまり相続人である戸籍を取得することは、当然法律上の権利でもあります。
このため突然、相続人である皆様の住所に書面を送ってくることが多くあります。
また、こうした書面につきましても、あえて相続放棄の期限である3ヶ月を過ぎてから送られてくるというのも非常に多く見られます。
これは債権者としてはおそらく少しでも相続放棄されないようにしようという意図によるものと推察されます。
死亡日から3ヶ月を過ぎた相続放棄は無効になるのか
さて、相続放棄には3ヶ月以内という期限があるということを聞いたことがある方も多いかもしれません。
父が死んでからもう1年以上経ってからなのに、借金の請求が来た。
これで「もう手遅れだ」と諦めてしまう方も多いのも事実です。
しかし、ここが実務上の最大のポイントでもあります。
民法915条には、自己のために相続の開始があったことを知ったときから3ヶ月以内とされています。
この「知った時」というのが非常に曖昧な表現であると同時に、ただ単純に「亡くなったことを知った日」で刺すことだけではないというのがポイントです。
実務上、相続放棄については、家庭裁判所はかなり柔軟な対応を認めていると言えるでしょう。
多くの家庭裁判所の傾向として、主に3つの要件を満たせば、没後数年経過していたとしても相続放棄を認められる可能性は高いと言えます。
・相続放棄の動機となる債務や負債、借金の存在をそもそも知らなかったこと。
・これらを知らなかったことについて。合理的な理由があること。
・これらの存在を知ってから、3ヶ月以内に速やかに相続放棄の申し立てをすること。
この3つが重要です。
つまり、お父さんが死んだことは知っていたが、借金があるとは夢とも思わなかった。
半年後に督促状が来て初めて借金を知った、という場合は、その手紙が届いた日から、3ヶ月以内に相続放棄の申述をすれば、相続放棄が認められる可能性も多くあります。
この場合、この督促状の書面の日付が非常に重要な証拠となりますので、必ず書面を取っておくようにしましょう。
具体的には、以下のような状況があれば、知らなくても仕方なかった相当な理由があると判断されやすくなります。
・生前の方とはほとんど交流がなく、亡くなったことや生活状況を把握することができなかった。
・自宅の片付けなどはしたが、借金に関する書類などを見つけることができなかった。
などの理由が挙げられます。
突然の督促状に驚いて、多少なりでも払えるものは払ってしまおうと思う方もいるかもしれません。
ただ、こうした一般的には善意による行いは、相続放棄の局面では、あまりプラスに働かないことが多いです。
亡くなった方の債務について、一部でも支払ってしまったりすると、基本的には単純承認といって、私はすべての借金、プラスの財産もマイナスの財産も引き継ぎますと認めたことになります。
これは、亡くなった方の財産を一部でも使ってしまったり、不動産を相続登記してしまった場合でも同じようなことが言えます。
特に不動産や不動産登記であったり、債務の弁済というのは単純承認とみなされ、後から相続放棄をすることが難しくなってしまいます。
このため、この点は非常に注意が必要です。
督促状が届いたらまずは何も手をつけず、専門家に相談するのが良いと言えるでしょう。
相続放棄を司法書士に相談する大きなメリット
債権者にどう返事をしていいかわからない。
裁判所に通す書類なんて自分で書けない。
そう思うのも当然のことです。
特に、こうした「3ヶ月の期限を過ぎた相続放棄」通常のケースよりとても慎重な対応が求められます。
また、裁判所から送られてくる照会書についても、より詳細な記述が求められます。
このため、法律の専門家である司法書士を頼ることで、以下のようなメリットがあります。
催促を止めることができる
司法書士から債権者に連絡することで、督促をすぐストップすることができます。
債権者からの督促状を見るだけで精神的に疲弊をしてしまう方も多いです。
こうした場合、司法書士が受任し、現在相続放棄を検討中である旨を伝えることで、こうした連絡を止めることができますので、精神的な落ち着きを取り戻すこともできるでしょう。
裁判所へ提出する書類の作成ができる
期限を過ぎてからの相続放棄の申し立ては、なぜこれだけの期限が経ってしまったのかという理由を合理的に説明する必要があります。
交流がなかった証拠や、なぜこうした負債に気づかなかったのか、負債が来た際の状況などを論理的に説明する必要がございます。
煩雑な戸籍収集も任せられる
相続放棄については、亡くなった方の出生から死亡までの戸籍など大量の戸籍が必要です。
特に叔父や叔母の場合などの相続放棄となると、相続人から見て祖父、祖母、さらには曾祖父や曾祖母などの死亡を示す戸籍なども必要になることがあります。
これらを集めるだけで大変ですので、職権で,これらを迅速に取得することができる司法書士への依頼やメリットがあるといえます。
借金の催促が届いてもまずは慌てずに司法書士に連絡ください
最後に、いきなり督促状が届く、知らない人の借金についての督促状が届く、その不安は想像以上に心に盲目のしかかります。
しかし、すぐに、特徴が届いてから時間が経たずにすぐに、正しい知識を持つ専門家に相談をすれば、こうした危機から逃れることができます。
期限が過ぎているからといって諦める必要もありません。
もし、こうしてあなたの身覚えのない相続人、被相続人から宛ての請求書や督促書が届いたら、一人では抱え込まずに落ち着いて司法書士の専門家にご相談ください。
私どもの事務所でも、これまでの経験で一番長くて40年や50年近く前にに亡くなられた方の相続放棄を取り扱った実績もあります。
督促状が届いた場合、対応を誤ると取り返しがつかなくなる可能性があります。
当事務所では、上記のように期限を大幅に経過後の相続放棄にも多数対応してきた実績があります。
「もう無理かもしれない」と思う前に、まずは一度ご相談ください。
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